わたしのソウルフード          ー小倉の郷土料理じんだ煮
先日久しぶりに母が東京に来ることになった時、ぬか床を少し持って来るよう頼みました。
ぬか漬けを作るわけではないんです、、
田舎の郷土料理「じんだ煮」が食べたくてたのみました。
じんだ煮とはイワシをぬか床で煮た魚料理です。
イワシがなければサバでもアジでも、青魚なら作れます。
ぬか床は各家庭で風味が違うので、これぞ本物「おふくろの味」なのです。

私は幼い頃、お魚が嫌いでした。煮付けも刺身も焼き魚も、匂いと姿がダメでした。
でも小さい私の面倒をみてくれた父方の祖母が作る不思議なお魚料理は大好物でした。
山椒のピリッとした風味とぬかみその辛みが効いた、お魚の煮付け。
お魚はみそにくるまれて匂いもしないし姿がよくわからない。骨まで柔らかく煮られてました。
これが小倉の郷土料理じんだ煮です。
故郷の市場でも、おみやげ屋さんでも売られているんですが、、、
売り物は甘いんです。甘辛というか、、私には甘すぎて好みの味ではないんです。
辛い山椒たっぷり、のみそにお魚の身をつけながら食べるのが山本家の味なのです。
母の持って来てくれたぬかみそはやっぱり山椒と唐辛子たっぷり。
うちのぬか床はもう何十年も生きていてとてもスパイシーです。
昆布と山椒、唐辛子、ぬかを継ぎ足し継ぎ足し母が維持してきました。
母のぬか漬けはとても美味しくて小さな甥や姪もよく食べてます。

今回は近所でアジが安売りしてたので、アジでじんだ煮をつくりました。
実は自分ひとりで作るのは初挑戦です。
お魚屋さんに頼んで頭と内臓をのぞいたアジを軽く煮て、臭みを取ります。
私は匂いが苦手なので煮魚やお魚のスープを作る時は必ず一回軽く湯通します。
かれいや鯛のスープなどはこの手間をかけると上品な味になるように感じます。
湯通しした煮汁は捨て、少なめのお湯で新たに昆布と少しの砂糖、塩、みりんでアジを弱火で煮ます。
辛みが好きな人はこの時、しょうがや山椒などを少し足してもよいです。
大体火が通ったら、ぬか床を加え弱火で煮こんで完成。

このお料理、とってもスパイシーでどちらかというとエスニックな味です。
明太子やキムチなどと似たジャンル。
イワシ明太子という名前でイワシのお腹に明太子を詰めたものが売っていますが
それとよく似ています。
福岡は大陸に近いせいか、香辛料の効いた大陸的な郷土料理が作られています。
私の育った小倉では昔からキムチやホルモンを庶民がよく食べていました。
ホルモンのセンマイという内臓は当時格安だったのでしょう、母はよくもやしやニラとあわせて
スパイシーな焼き肉風おかずを作ってくれました。
貧しい下町暮らしの私たちの貴重なタンパク源だったと思うのです。
大人になって東京のお店で食べたセンマイが痩せてて味付けが悪く、しかも高価なのには閉口。
母と祖母は限られた食材に工夫をして料理を作るのが上手だったんでしょうね。
特に母は「味の素」などの化学調味料を嫌って使いませんでした。
安い素材を自然な味付けでごちそうに変える才能があったのだと、いまさら感心します。

はじめて作ったじんだ煮ですが、、
これこれ!むかし食べたおばあちゃんの味だわあ、、って感激しちゃった。
やっぱり幼い頃に食べた味は体が覚えているんですね。

by kaorise | 2009-04-14 15:22 | グルメ | Comments(10)
Commented by tripper_01 at 2009-04-14 15:45
ほぉぉぉ~!知らない調理法であります!
糠漬けの"ヘシコ"や"糠ニシン"なんて加工食品は好きですが、煮物は未体験。
地方地方、人それぞれ、様々な食べ方があって楽しいですね!
Commented by kaorise at 2009-04-14 22:26
>tripperさん

ちょっと変わってますよね、、ぬかみそで炊いた青魚なんて。
でも、これ本当に美味しいんです。
お酒のおつまみには最高だと思います。
焼酎のお湯割りなんかめちゃめちゃ進みますよきっと。
ウォツカとか、アイラモルトにも合うのではないかしらん、、
私、、宴席で酒は呑めませんとか言うくせに、アイラモルトや
ペルノなどのお酒は好きなんです。
あっ!じんだ煮、、ペルノにも合いそう!!
Commented by yacchi-fu at 2009-04-14 22:37
読んでるだけで、よだれが・・・。
北海道では糠ニシンがメジャーですが、その食べ方は未知ですね。
ぜひとも、僕の辞書に加えたいです(笑)。
この歳になって、まだ食べたことがないもので興味をそそられるなんて
人生まだまだですね。
すごくエネルギーをもらった感じがします。
Commented by Rie at 2009-04-14 23:55 x
不思議で未知な食べ物。どんなお味がするのかしら。
とっても美味しそう。それにお皿もすっごくステキ!
酒飲みにぴったりなんてますます私好みだわ~。
私は東京郊外で生まれ育ったので、こういった地方色豊かな郷土料理が
存在しません。うらやましいなあ。
Commented by kaorise at 2009-04-15 01:24
>yacchiさん

美味しそうと感じてもらえたんですねえ、、嬉しいわあ、、
古いぬかみその味わいって納豆やチーズなどにも共通する民族の味ですよね。
お魚を炊いたあとのだしの効いたぬかは冷凍してますから、
いつか機会があればごちそうしますね!
Commented by kaorise at 2009-04-15 01:37
>Rieちゃん

たぶんりえちゃんは大好きだと思うよ〜いつかごちそうするね!
お皿は織部焼きです。私皿屋敷(皿アパート)に住んでいるの、、
いちま〜いにま〜い、もうこれ以上皿はイラン!!なのにまた増える、、
ギャアァッ怪奇!!

家庭料理って不思議ですよね、、若い時は何とも思わなかったけど
大人になって作ると母や祖母の味が見えない財産になっています。
恋人や夫のお母さんから料理を教わるのは嫌、という人もいるけど
それは勿体ない〜各家庭の味は見えない宝だなあ、と思います
Commented by saheizi-inokori at 2009-04-15 22:57
発酵の魅力でしょうね。
食べたいなあ。
Commented by kaorise at 2009-04-15 23:04
>saheiさん

そうそう発酵のものっそい匂いがするんですよ〜
この匂いがだめな人は無理なお料理です。
いつかsaheiさんにもごちそうしましょう。
こんなにおいしかものがあったとね!!と九州弁になっちゃうかもよ〜
Commented by KU at 2009-05-02 22:45 x
はじめまして。北九州は門司の通りがかりの者です。

ネットでじんだ煮のことを読むとは思いませんでした。
東京の人にとっては意外なエスニックフードなのでしょうか。(けっこうこの料理のルーツは信州なのでは?とか思うのですが)

東京の人、旦過市場につれていくと喜ぶかもしれませんね
Commented by kaorise at 2009-05-03 23:02
>KUさん

ようこそようこそ!
書込みありがとうございます。
東京では、ぬか漬けそのものがそんなに家庭で作られていないから
珍しい食べ物ではないかと思います。
旦過市場、喜ばれるでしょうねえ、、私はたま〜に帰った時は
旦過より黄金市場に行くのが楽しみです。(すごい地元話ですみません)
母方のおばあちゃん愛用の市場だったので、今でもおばあちゃんが
生きていて買い物をしているような、、そんな気さえします。

KUさんは門司港をご紹介されているんですね。
門司港大好きな場所なんですよ!家族との思い出も色々あって、、
いつかこのブログでも門司港の事を書いてみたいです。
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